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嵐の六才児

直也がお泊まりに来た。一週間前頃か「お泊まりする」と言っていた様で、「ダメ!」となると「ワ~ン!」と泣いていたらしい。直也はまだ大声で泣くんだな!もう少しすると大声で泣かなくなるんだから、今はまだかわいいなと思った。
夕方、直也を千代田町の八山宅へ迎えに行った。直也はパパ、ママ、結ちゃんに送られて車に乗って出発した。大手町の店に着く。すぐ車から出る。直也の方のドアはチャイルドロックがかかっている。反対側のドアから飛び出て、店に駆け込む。「本がある!」夫が孫に毎月『テレビくん』という雑誌を直也のためにとっている。結ちゃんにも女の子向けの雑誌をとっている。夫は上手にお腹から出すようにして直也に渡している。店のテーブルに付録を置くと、あんちゃんを連れて来て、側に付きっきりで作ってもらう。あんちゃんが「輪ゴム!」と言うと、私のところに来て「わゴム」と言う。早く、早くと足踏みするように焦っている。あんちゃんのところに持って行くと「袋の中に入っているだろう?」と言われている。探していた直也は透明な袋に入った輪ゴムを見つけていた。子供の付録なのに細かくて面倒くさい。直也は夫のところに言って「お腹から又出して!」とせがんでいた。急に子供の顔になって、真顔で頼んでいるのが不思議な六才児に変身かな。
あんちゃんが付録を完成させた。夕方も過ぎ、閉店くらいになっていた。すると直也はそれを腰につけ、お面をかぶりカチャカチャと動かしていたが、五分もしないうちに、「以上、おわり!」となった。直也はそれでイイのだ。満足なんだ。あんちゃんの労力は何なのだ?

食事も済んで、家に帰った。又、付録が出て来た。あんちゃんの横に坐り、作らせていた。小さい小さい紙を折ったり継げたり。子供のための付録なのに、パパが作る様に出来ている。老眼鏡を使う人には出来ません!という事です。
お風呂に入り、パジャマを着て二階に行く。「ベッドをくっつけないとオレが落ちちゃうよ!」と言いながら壁の方へ押し付ける。「力があるね、直ちゃん」これで寝てくれるのかな?という不安も必要なく、すぐ寝てくれた。夜半にゴソゴソしてたので「おしっこ?」と聞いてトイレに連れて行くと用が済んだら又すぐに寝た。
朝になったら私の方に来ていて、かわいく寝ていた。ところが起きてからウンザリするくらい直也は変身していて、「ねぇ、あれ買って」「ねぇ、おもちゃ二つ買って、300円やるから」「???」「セブンで買って!カード」「マックが食べたい!」・・・そう言えばママが「カードがついてるから。カードが欲しいんだからね」と言っていたんだった。「マックはアピタがないからダメなの?」・・・仕方なく夫が車を運転して出かける。
マックに着くと混んでる、混んでる。老若男女でいっぱい。車もいっぱい。そして注文する時は訳がわかりません!夫がいてくれて良かったけど、何を聞かれても、どう答えれば良いかサッパリわかりません!「お飲み物いりますか?」「おい、何がいい?」聞かれてもわからない。「ファンタもありますよ。」「アー、ファンタでいいです。」購入した品物を持って、車で家に帰ってから、テレビを見ながら食べた。家でよかった。とはいえ、直也はまだ今日の予定を一つもクリアしていない。だんだん顔つきが悪くなり、くっついて来ては文句だらだら、もうテレビ、ビデオは全部見た。外に出て運動させる元気はない。三時頃「直ちゃん、買物に行く?」「ウン」アピタがないから不便。あってもゲームの虫の付き合いはくたびれる。直也の「ねぇ、ねえ」にも疲れた。「さぁ行こう!」と言ったら、外にパパとママ、結ちゃんが迎えに来ていた。良かった。直也の顔色も変った。
本当に疲れた。夫が夜私の疲れた顔をママにメールで送った。その返信は「直也がばぁばかわいそう」だって・・・

(イラスト : 菊池裕子)