修先生のよもやま噺

家庭はお母さんの心の広さ

私たちの目の前では毎日いろいろなことが起こります。楽しいことばかりではありません。しかしどんなことが起こってもそれを一度受け入れてみることが大切です。何も条件を付けずにすべて受け入れてみる。

学歴の高いお母さんは子供と夫を作り損なうといいます。「これは正しい」「これは正しくない」と理屈で判断して接してしまうからです。愛することは理屈抜きでなくてはいけません。子供や夫が理屈に合わないことを言っても一度は「そうよねぇ」と受け入れてあげることが大切です。

例えば夫が家に帰ってきて会社での悪口を言ったとします。その時に奥さんは夫に非があると思っても「それはあなたが悪いのョ」と言っては駄目なのです。奥さんは「まぁ!お父さんにそんなことを言うの?腹が立つね!私がぶん殴ってやろうか!」と一緒に怒ってあげて下さい。そうすると「まぁ、ぶん殴ることはないけどね。俺にも悪いところはあったし・・・」と夫は冷静になれるのです。この呼吸が夫婦です。すべてを丸呑みにすることも大切です。

子供も同じです。友達と喧嘩をして帰ってきた時にお母さんが「それはあなたが悪い。あなたがきちんとしていればそんな喧嘩にならなかったでしょう。」と言ってしまうと子供はお母さんに何も言いたくなくなります。そんな時「その子悪いね。お母さんの大事なあなたにそんなことをするなんて文句を言いに行こうか」と言えば、子供は「僕が悪かった」と自分で反省します。どんな人間の心の奥にも花園があるのです。自分が悪かったかどうかは本人が一番わかっていることなのです。家庭はほめてあげる場、認めてあげる場でなくてはいけません。他人がほめて認めてくれないからこそ家庭で百倍ぐらいにしてほめてあげるのです。家庭は無法地帯でいいのです。人を殺しても、人のものを盗んでも平気で帰って来られる場所が家庭です。

家庭のしつけが厳しかった人で楽しそうに生きている人は一人もいません。家庭で教えなければならないのは「ありがとう」「いただきます」「ごちそうさま」「おはようございます」「おやすみなさい」「いってきます」「ただいま」「ごめんなさい」という人間の基本的な約束事だけで十分です。あとは親が身をもって示していけば子供はそれをまねていきます。学ぶとはまねることです。

人間の幸せは権力を持つことでも金持ちになることでもありません。平凡な生活、一家団欒のある家庭が一番幸せなのです。