裕子先生の家族日記

運動会

「雨だから中止だろう!」と思っていたら「あるよ!あるからね!」と娘から電話があった。カサを持ち降ってきたら濡れるし、寒いし、上に着るものもいる。手提げ袋がだんだん重くふくれて、格好悪いけど「マーイイカーッ」

保育園の駐車場は混雑しているだろうから、離れたところの役場の駐車場に置いてから稲刈りをしている田んぼを見ながら歩いた。運動会の会場から音楽と女の先生の放送が聞こえてくる。「結構遠いんだなー」と思いながら歩いた。保育園の駐車場はやはり混み合っていた。

門を入ると小さい子がチョロチョロ動いている。テントが二張りあってその中にイスが並び園児たちが坐っていた。前の方に立ち上がっている子は・・・直ちゃんだ。
中に入って「直ちゃん!」と読んだら「ママはあっちにいるよ!」という。その“あっち”と指差した正面の来賓席の方を通り、キョロキョロ探しながら歩いて、とうとう正面の向かい側、いつもの席に陣取って坐っているパパとママがいた。結ちゃんはお友達と遊んでいるという事で、最後まで顔を見せずだった。

腰を下ろして、足を投げ出して坐ったら、動くのが億劫になり、その場所に最後まで留まっていた。
直ちゃんが走り出すのも見えなく、人の声援で近づいてきたのを知り、小さいカメラの窓からのぞいて、大体の勘でシャッターを押し、ゴールはこっちの方だからとこの位のところでシャッターを押してみる。あとで娘がのぞいて、
「お母さん!写せなかった?アハハハハー。アー、ゴールが写ってる!」
踊りをママと今年は踊ってると思うけど、はるか先の方にいるのがチラチラと見える位でシャッターは押せなかったが、直ちゃんが笑ったりしながら、ママと組んで今年は踊っていたのにホッとした。

見物の人がかけっこの出発点やゴールのところに陣取っているので娘が「お母さんのカメラはズームが効くから、走ってるのを撮ってね」という。

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動いて近づく気力なし。小さいカメラからのぞいて、シャッターチャンスをのがしながら、結局、運動会が終わってしまった。

そうそう、おじいちゃん、おばあちゃん出てください!というのに娘の姑さんと出て、孫のため、お菓子袋を取った時に動いたんだった。
雨はほんのすこし当たっただけ。太陽も少しだけ出た。その時はにわかに暑くなった。あとはくもり空で、無事、運動会は終わった。良かったね。

会場を出る時、やっと結ちゃんが友達数人と来た。遊び、走り廻っていたらしい。良かった良かったの半日でした

(イラスト : 菊池裕子)