10月30日(日曜日)太田香龍様。九時半より七五三のお参り。
太鼓と鐘の大きな音が鳴り、読経が始まった。
大人は頭を垂れ、側に子供を置いて、お経の声を聞きながら僧侶の袈裟を見たり、太鼓や鐘の打ち方を見聞きしたりしているうちに、それらの打ち方が強く早く小刻みになり、ドンドンと大きく高く太鼓が鳴って終った。
一人ひとり名前を呼ばれて、御札を受け取り、靴の入ったビニール袋を下げて出口に向かって動いた。
直ちゃんは、「のどが渇いた!ジュース!」
また少し歩くと「ジュース!」
赤い背広に白いチョッキ・ネクタイの五歳児に変化はなし。
「向こうの入口の方に自動販売機があったからね・・・」というママの言葉に促されて、ちょろちょろと動く。今の世の風潮なのか記念写真を撮った時は着物に袴だった。ジュースを選ぶのも色々と注文通りにはいかなく、十分納得したものが手に入らなかった様だった。
大泉の方に移動して昼食を頂いた。直ちゃんもお姉ちゃんの結ちゃんもジュースを飲んだ。そして二人が何回もトイレに行くのに私は喜んで付き合った。
直ちゃんは危ない!夏の頃、家の店のトイレに入って、その場に立って便座に坐らず立ちションをした。やりたくて仕方なかった感じで立てたフタに向かって勢いよく強く頑張って放水してしまった。フタにベシャベシャぶつかったオシッコは床にはじき飛ばされて濡れてしまった。本人は“シテヤッタリ”と満足な顔をしていた。
そんな事があってから直ちゃんがトイレに入ると一緒に入って便座に上がるのを助けていた。
春の頃にはトイレに間に合わず駐車場の隅でオシッコをさせた時、「立ちション!」と叫んで、下着を濡らして失敗した事もあった。
直ちゃんの夢に付き合った時だったのだ。それなりに幸せかな~
結ちゃんは三年生。成長している。自分の席に坐って、モクモクと食べていた。そして
「きついから脱ぐよ!」?
パパが焦って「ダメ!ダメ!」と止める。
「だって、下にも着てるから!」
結ちゃんは小一の時の服を着ていた。坐って食べていたら、だんだん窮屈になってきた様だった。
“ほほえましい”よ。
孫といるとホンワカシアワセであった。
「バイバーイ」車が出発した時、
「バァバ!あんちゃんに食べるの気をつけてって言って!太るから!」と、結ちゃんが大きい声で言った。
「もう遅いよー!」私が答えた。
直ちゃんの髪はハネている
(イラスト : 菊池裕子)