裕子先生の家族日記

お正月映画

1月5日の朝、娘からの電話で「映画を見に行くんだけど、一人は『ちびまる子ちゃん』、一人は『妖怪ウォッチ』。別々だからお母さんも付き合って!」
なぜか直ちゃんの見たい『妖怪ウォッチ』に付き合う事になった。
直ちゃんはまじめに入口の補助マットの大きいのを持って会場に入り、座席にマットを置いて、その上に腰掛けた。ジュースとポップコーンを置いて、程なく映画が始まる。黙って真っ直ぐ前を向いて、背中も真っ直ぐ。
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そのまま時々手がポップコーンをつまみ、口へ運ぶ。ジュースも時々コップを持ってストローで飲む。トイレにも行かない。わき目もふらない。こんなに一生懸命見ていられるものなんだ…。直ちゃんがまじめ妖怪になったみたいだった。
妖怪ウォッチの映画は3話になっていた。映像も飛ぶように展開し、音も大きく、時々爆発したような大きな音がする。休みなく音と映像に圧倒され、動きも飛び交う迫力に話の内容もついて行けなかったようで、後日何が何かわからないアニメ映画だったな…と思った。
4才半の子は微動だにせず見ていた。というのは妖怪にとりつかれていたみたいなのだ?
終わるとサッサとしたにおりて行く。私は大きなマット、ポップコーンの箱、ジュースの残りを抱えて追いかけた。
直ちゃんはスーッと会場を出て、私の「トイレは?」という掛け声も無視して、ろう下を渡ってスタスタと前の方の別の会場へ入っていく。
ついて行きながら…「あれ!?」私は直ちゃんを追いかけられず、外に出てみると入口の横の壁に『ちびまる子ちゃん』のポスターが貼ってあった。
ママと結ちゃんが見ている所だ!小さい子でも見る所はしっかり認識しているのだった。
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映画が終わったら三人で出てきた。
結ちゃんが昼食を食べながら私に聞いてきた。「(妖怪ウォッチは)いくつ話があった?」「三つ」「どんな話?」「悪者がマンホールを開けたら、そこに落ちて、死んで、妖怪になって…」「あ~、そう言ってた。」直ちゃんは何にも言わない。満足していて、ラーメンをしっかり食べて「エンマ大王!」と言ってカードを忘れないように持った。
みんなの話の中に入ってこない4才半は、どれだけわかっていたのかな…
(イラスト : 菊池裕子)